卒業研究

このページでは、中山研究室のメンバーが研究している研究内容について紹介しています。


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食育を効果的に実施することを目的としたネットワーク対応の食育教育システムの開発

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 食育基本法(文科省2005)が制定されることで、子どもたちに対する食育が重視され、教育関係者が積極的に子どもに食育を推進するよう努められるようになった。
 しかし、小学生を対象に、栄養学を土台とした食育を効果的に教えることは容易なことではない。
 そこで、本研究は、ネットワーク対応の食育教育システムを開発し、小学生が効率よく、かつ効果的に食育を学習できる環境を作ることを目的とする。
 手順としてまず、現在の小学生の”食”に関しての問題点を明記し、そして、その改善のために何を行うべきか、本研究の目的を明確にした。次に、ネットワーク機能とデータベース機能を持った教育ツール開発し、各26種類の栄養素を計算可能にした。
 そして、小学生を対象にした評価実験の結果、システムの利用により、食育に対する学習意欲の向上がみられた。
 また、ネットワーク対応のシステムとすることでインターネット接続しているコンピュータによりどこででも使用することができるだけでなく、実験に参加した生徒の情報をデータベースに蓄積することで年齢・性別・体重・身長などの応じた食生活に関する情報を効果的に収集分析することが可能となった。
 将来は、食育を効果的に行うだけにどどまらず、地域別や民族別などの情報収集を行うシステムに改良することで、地域社会における食生活の情報収集分析ツールの可能性を検討する。

大量調理における基本動作を身につけることを目的とした調理シミュレーターの開発

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現在、栄養士養成施設などで栄養士資格を取得するには、厚生労働大臣の指定した栄養士養成施設において法律で定められた栄養士資格必修項目をすべて履修して、卒業することが定められている。
しかし、給食管理実習などの集団調理実習では少ない実習実施回数の中で一人の学生が関わることのできる調理が少なく、危険を伴うなどの問題がある。
このため、「給食の運営」は法律で定められた科目であるにもかかわらず、実習による十分な理解と経験を積むための栄養士養成施設が少ないのが現状である。
本研究では、これらの問題を解決するため、すべての学生が安全かつ手軽に大量調理における基本動作を身につけることが可能な大量調理シミュレーターを開発した。このシミュレーターは、Kinect for Windows v2とAndroid端末を用いて栄養士資格を持つ教師の動作と被験者の動作を比較し、システムによる助言によって、適切な動作を促すシステムとなっている。

情報モラル指導教材におけるバーチャルリアリティの活用

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 情報モラル教育のために開発された判断学習教材において、情報モラル判断場面と一般的なモラル判断場面との類似点をよりわかりやすく説明するために、バーチャルリアリティ(VR)を用いた動作を伴う説明画面と文字表現だけの説明画面とを比較する実験を行った。また、VR内にセンサ機能とログ機能を設定することで、頭で理解していることと行為として実行できることとのギャップを検出できるかどうかを実験した。
 アンケート調査の結果、被験者がVRによる状況説明をより理解しやすいと感じていることがわかった。さらに、実験者側の内容を悟られることなく被験者の行動と意識の抽出ギャップの検出をすることが可能となった。

P-Fスタディによる深層心理分析システムを用いたコミュニティ別の性格分析

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システム上で行う深層心理テストは、インターネット上に多数存在しており、利用者に選択肢を選択させ、性格を診断するというものである。
短時間で行われる簡易的な深層心理テストは簡単な性格判断を行っていて、長時間かけて行うものは正確で詳細な性格判断を行うことが出来る。
Saul Rosenzweig(1945)によって考案されたP-Fスタディと呼ばれる深層心理の投影法がある。これをシステム化する事で測定にかかる時間を大幅に削減することが試みられた。これはPHPとMySQLを用いてシステムを構築し、リレーショナルデータベース対応のシステムとして実現したものだった。これにより、一般の方から収集したデータとの違いと、深層心理的にどの部分に問題があるのかについて容易に把握することが可能になった。

精油芳香による単純作業への影響について

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単純作業を行うと作業量及び、作業時間に応じて、肉体的負荷及び、精神的負荷が掛かる。負荷が持続すると疲労し、作業能力が低下し、本来の能力を発揮できなくなる。そのため、単純作業においては、作業者は体調などの肉体的コンディション及び、気持ちなどの精神的コンディションの双方が良好であることが望ましく、作業前のストレッチ、作業後のマッサージなど様々な方法によって最良のコンディションを継続させられるように試みが行われている。
しかしながら、今日行われている疲労ケア方法の多くは作業前或いは作業後に行う事前・事後のケアの事例が中心である。
そこで、本研究では、精油芳香における単純作業時の効果を明らかにすることを目的とする。
単純作業中に精油芳香の使用時と非使用時を比較し、主観的運動強度(運動のきつさ)や、実験後に芳香有りと無し作業を比較したアンケートを実施し、結果にどのような差が出るのかを調査した。その結果、芳香無し運動より芳香有り運動の方が好意的な傾向が見られた。そのため、精油芳香によって運動時における心的印象を改善する精神的ケアの役割を果たしていると考えられる。

マルチメディアと人間の五感を応用した出産環境改善システムの開発

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 一般に、妊娠中の女性は普段よりも悩みや不安をかかえ、加えて出産には長い時間がかかり、ストレスを感じやすくなる。強いストレスは、時に体の調子を狂わせ、胎児にも影響してしまう。胎児に酸素や栄養素が十分に行き渡るよう、妊婦の精神面、身体面が良好であることが大切である。このようなストレスの軽減は、母子ともにとって重要な課題であると思われる。
 現在、妊婦をリラックスさせる方法として、五感(嗅覚、聴覚、視覚、触覚、味覚)を刺激した方法がある。
 本研究ではこの五感を応用したリラクゼーション効果を探ることを目的とする。
 前提実験Ⅰでは聴覚・視覚・嗅覚の刺激によるリラックス効果を調べるため、音と映像、アロマの組み合わせによって、どのような影響があるのかを調査した。また、実験後のアンケート調査での分析に加え、脳波を測定することで、リッラクスの度合いを定量化し、客観的に評価ができるようにした。実験の結果、アロマオイルを用いた状態はいずれもリラックス効果が向上することが、脳波測定により確認された。しかし、映像に関しては “見る”という行為自体、疲労を伴う可能性があるということが示唆され、映像については内容や使用環境を考慮する必要があると考えられた。
 前提実験Ⅱでは、一般の被験者に協力を依頼し、音楽とアロマのみを用いた場合、どのようなリラックス効果があるのかを分析した。脳波測定の結果から人それぞれリラックスを感じる、五感の刺激要素が異なることがわかった。本実験では、妊婦を対象として、聴覚と嗅覚に触覚(振動)を加えることで、リラックス効果に関する調査を行った。脳波測定の結果、「アロマ」、「音」、「振動」そしてそれぞれを組み合わせた中でも、最も嗅覚を刺激した場合が、リラックスに効果的であった。振動により眠気(θ波)が起こる傾向が確認された。また、アンケートの結果から、心で思っているリラックスと、体が反応を示すリラックスには、ズレが生じていることが明らかになった。

バーチャルリアリティを用いた深層心理アナライザーの実現

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 インターネット上で仮想3次元空間を実現できるバーチャルリアリティ技術(VRML)を用いた深層心理分析システムを構築した。これは、従来のコンピュータによる深層心理では分析しずらかった、写実的リアリティ、三次元の空間性、実時間の相互作用性、自己投射性を強めた心理分析をすることができるシステムの開発を目的とした。
 本システムを用いた評価実験を自己評価とアンケート調査によって行った結果、本システムを用いた場合は、従来の線画による分析方法と比較して、自責的傾向が有意に高かった。
 また、写実的リアリティ、三次元の空間性、自己投射性において高い評価を得た。

3者間(教師・保護者・生徒)の情報交流の改善を目的とした アンケート機能付グループウェアの開発と評価

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 教師と保護者間の情報交流を効果的に推進させるためには、両者が効果的に意見や情報を交換できる環境を整える必要がある。しかし、交流会などを頻繁に開催したとしても、時間や場所の問題ですべての者にとって平等な環境を整えることは困難である。
 そこで、時間と場所に依存しない交流の場を整える手段の一つとして、グループウェアがあると考えられる。
 そこで第1段階として、Eメールなどのネットワーク機能を用いて教師と保護者間の情報交流を円滑にすることで、生徒と保護者間の情報交流を効果的に行うことを目的としたグループウェア(E-WEAR)を開発し1クラスを対象に検証した。その結果、保護者の学校行事についての関心が高まり、保護者と生徒の情報交流改善の兆しが見られた。しかし、保護者からの情報を効率的に収集する具体的な手段がなかったため、保護者から教師へ連絡が行われる機会がみられず、教師が保護者からの情報を入手しづらくなることが明らかになった。
 そこで、第2段階として、対象を学年レベルまで拡大し、保護者と教師の双方向の交流を促進するために、保護者からの情報を効率的に収集するアンケート機能を追加することで、教師と保護者との情報交流をより効果的に行うことを目的としたグループウェア(E-WEAR2)を開発し検証した。その結果、E-WEAR2の使用前後で「学校(教師)から保護者への対応」と「保護者から学校(教師)への対応」双方において交流改善がみられた。
  aは、生徒と教師および教師と保護者がメール機能を用いて双方向に情報交流を行えることを示している。ただ、生徒と保護者のメール機能は、口頭による対話に重きを置いたので、本システムでは設けなかった。 bは、教師と保護者によるE-WEAR2を通じたBBSによる双方向の書き込みを示している。 cは、教師がニュース機能により掲示板に情報提示と情報閲覧を行えることを示している。 dは、保護者と生徒が掲示板から情報閲覧を行えることを示している。 eは、アンケート機能により教師と保護者間の情報交流が行えることを示している。これはE-WEAR2へ追加された機能である。

WWWを用いた授業進行支援システムに対する個別対応機能の実現と評価

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 一斉授業において、教師が学習者の状況をふまえた授業進行の適切な判断を行なえるよう、中山らはその支援システムを開発し、効果を確認した。ただし、理解度の異なる学習者に対する個別対応を行うことが課題とされた。
 本研究では、この課題を解決するために個別対応機能を実現し、実験授業によりその効果を検証した。
 理解度テストの結果、個別対応機能を用いた授業は、用いない授業と比較して、基礎学習事項の理解度は同等であり、発展学習事項の理解度は有意に高まった。これは個別対応により発展学習した効果であった。
 また、アンケート調査から、システムを使って教師に積極的に反応を返した学習者や、個別対応に対して期待感が高い学習者ほど、個別対応機能への評価が高いことがわかった。
 一方、個別対応を期待していない学習者や向上心が低い学習者は、システムを通して教師に反応を返さない傾向があることも明らかになった。

ビデオチャットを用いた語学ラーニングシステムの開発と検証

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 ネットワークを通じた新しい遠隔教育環境を構築し、ビデオチャットを用いた距離を超えてのリアルタイムな学習の場を提案してきた。
 本研究では前提研究で構築した遠隔教育サイトの各コンテンツを改良するとともに、遠隔語学教育を行う上で必要と思われる機能を新たに開発し導入した。それに伴い実証実験を行い、実際に使ったユーザーの感想を元に改善点を見出し、更なる充実したサイトの構築と評価検証を行う。
 遠隔授業を行う際、ビデオチャットだけでは説明しづらい場合などに図や文字を使って、黒板の代わりに視覚的に説明することができるホワイトボード機能を開発した。これにより、生徒側もビデオチャットだけでは表現しきれない疑問点などをより具体的に教師側に伝えることができる。また、ビデオチャット画面をひとつ追加し、1対2の授業も行えるようになった。